美食猫のためのキャットフード

病気でもないのに愛猫が餌を食べない、あるいは少量しか食べない場合はその猫は美食猫かもしれません。舌の肥えた猫にたくさん餌を食べてもらうためには、どのようなキャットフードが良いのか解説致します。

美食猫とはどのような猫?

美食猫とは「食べ物の好みがはっきりしている猫」と本記事では定義します。猫は本来、生きた動物や魚などを捕らえてそのまま食べる動物です。そのため、野生の本能が強い猫は乾いていたり、肉類が少ないキャットフードを好まないことがあります。
与えている餌の食い付きが悪い、あるいは悪くなった、長く放置された餌には見向きもしないなど、愛猫が餌をきちんと食べてくれない場合は、与えている餌が嗜好性に合わない可能性が高いです。
ますは、愛猫の好きな食材を探しましょう。肉派なのか魚派なのか?穀類は大丈夫なのか?餌の形状の好みはあるのか?などを以降で紹介する美食猫に適したキャットフードを色々試しながら、愛猫の好みを見つけだすことが重要です。

美食猫のためのプレミアムキャットフード

美食猫にはまずプレミアムキャットフードを与えてみましょう。キャットフードの中には、穀類が多く使われていて肉が少なかったり、使っている食材が良くなかったり、嗜好性だけでなく健康にも悪いものがあります。
プレミアムキャットフードは良質な肉類が豊富に含まれ、穀類不使用で、美味しくそれでいて栄養価の高いものです。特にイギリスやドイツが原産のプレミアムキャットフードはヒューマンクオリティー、つまりは人間でも口にできるほどの品質を維持しているのでお勧めです。
プレミアムキャットフードは普通のキャットフードより割高ですが、保存の効きやすいドライキャットフードであることが多いので、比較的コストパフォーマンスは良いです。

美食猫のためのウェットキャットフード

次に美食猫にお勧めなキャットフードがウェットキャットフードです。愛猫がドライキャットフードの乾燥したカリカリとした食感を苦手とする場合は、素材が高級なものよりも猫本来の食事に近い形状の餌が効果的です。
ウェットキャットフードはその名の通り、餌の水分量が多く、肉や魚の食感が残っているので猫本来の食事に近いものです。

主食には総合栄養食を与える

ウェットキャットフードを主食として与えるなら「総合栄養食」を選びましょう。ウェットキャットフード は嗜好性が高い分、主食として与えるには不向きな栄養価の低いものが多いです。
そのため、ウェットキャットフードを購入する際には表記ラベルに注目しましょう。主食なら「総合栄養食」、おやつなどの間食用なら「一般食」や「副食」と表記されているものが適切です。

ウェットキャットフードの形状も考慮する

  • フレークタイプ(ツナ缶のような形状)
  • パテタイプ(ムースのような形状)
  • スープ・シチュータイプ(食材の原型が残っている形状)

上記がウェットキャットフードの形状の種類一覧です。例えば、スープタイプやフレークタイプは食材の原型が保たれているので嗜好性は比較的高いです。
パテタイプは3つの中でも栄養価が高い傾向にあり、非常に柔らかいので高齢で歯の弱った猫でも食べやすい特徴があります。どれを好むかは猫によって個体差があるので、それぞれ試してみることをお勧めします。

美食猫のための手作りキャットフード

最後にご紹介するのは手作りのキャットフードです。添加物がなく、新鮮さは市販のキャットフードよりも格段に保たれているので、美食猫の舌も納得させられる可能性が高いでしょう。
しかし、手作りキャットフードは人間が食べる食事を作るのとは勝手が大きく違います。以降で、猫用の手作りごはんを作る際の注意点を解説致します。

猫に与えてはいけない食材

まずは猫に食べさせてはいけない食材をきちんと把握しておきましょう。猫にとって危険な食材は以下のものです。

  • ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラなど)
  • 青魚類(サバ、アジなど)
  • 貝類(アワビ、トリガイ、サザエなど)
  • アボカド
  • イカ
  • エビ
  • タコ
  • ぶどう(レーズン、ブルーベリーなど)
  • 生卵
  • あくの強い野菜(ごぼう、ほうれん草など)
  • ナッツ類(ピーナッツ、マカダミアなど)
  • 穀類(トウモロコシ、米など)

上記の通り、猫に食べさせると健康を害する可能性のある食べ物は数多くあります。調理をする前に入念にこれらの食材が含まれていないか確認しておくことが重要です。

調理の基本

調理は必ず食材にしっかり火を通しましょう。煮る・蒸す・焼くどれでも大丈夫ですが、油を引いて炒めるような調理法は避けるべきです。
具材は魚・肉類をメインにして、野菜は全体の2〜3割程度にすると食いつきが良いです。その際に具材は細かく切るか、ツナ缶や鮭フレークのようにほぐしてあげましょう。
そして、決して調味料を使用してはいけません。猫本来の食事に含まれないものは、消化器官にダメージを与える可能性があります。軽い塩・胡椒も猫にとっては有害なものなので、味付けは一切しないでください。

手作りキャットフードは週1くらい

手作りのキャットフードは週1日くらいの頻度で与えるようにしましょう。手作りの方が愛猫の食いつきが良い場合は、毎日でもあげたくなるかもしれませんが、あくまでも主食は市販のキャットフードにしておくべきです。
手作りごはんは猫にとって必要なビタミンやミネラルが不足しがちで、毎日全く同じ食材を同じ分量で使う訳ではないので栄養が偏ってしまいます。実は、一般家庭では猫に主食として与えても問題ないキャットフードを作るのは難しいのです。

まとめ

美食猫といっても、わがままで贅沢な猫ということではありません。そもそもキャットフードという食事形態は猫にとって不自然なもので、口にしたくないと感じるのはむしろ自然なことです。
普通のキャットフードよりもやや割高で手間がかかる美食猫の食事ですが、食事はあらゆる生物にとって重要なものなので、愛猫に健康に長生きしてもらうためにも飼い主が一肌脱いであげるようにしましょう。