キャットフードの添加物(合成調味料)

キャットフードに入っている添加物で、「合成調味料」というのがありますが、それは一体どういうものなのか?危険性はあるのか?といった疑問について本記事でわかりやすく解説いたします。

合成調味料とは

合成調味料とは、キャットフードの味付けに使われる添加物です。人間の食べ物に使われているような成分もあるため、比較的安全性が高い添加物とされています。
しかし、それでも摂りすぎは危険です。人間の場合ですが実際に合成調味料の摂りすぎで、頭痛や手足の痺れ、倦怠感などを引き起こしてしまったという報告もあります。

そもそも猫に合成調味料が必要なのかというと、はっきりとした答えはありません。猫は人間ほど鋭敏な味覚があるわけではないと考察されていて、合成調味料は必要ないという意見もあります。
しかし、実際に合成調味料の入ったキャットフードの方が猫の食いつきが良い場合もあります。合成調味料の是非ははっきりしませんが、いずれにしても大量に摂取させてしまうのは避けるべきでしょう。

グルタミン酸ナトリウム

グルタミン酸はアミノ酸の一種で「うまみ成分」とも言われています。人間の食べ物にも使用されているものであり、最も有名なのが「味の素」でしょう。
グルタミン酸ナトリウムは人間も口にしていることから、危険性は低いとされていますが、長期の摂取で偏頭痛や肌の炎症をひきおこすという研究結果もあるので油断はできません。
また、ニコチンや麻薬のように依存性があるという意見もあり、グルタミン酸ナトリウムの入ったキャットフードを日常的に食べている猫は、入っていない食べ物を好まなくなる可能性もあります。

グリシリジン・アンモニエート

グリシリジン・アンモニエートは甘み成分です。甘草の根っこに含まれる成分で、キャットフードにも甘みを加えるために用いられることがあります。
添加物として使用されることが多いですが、医薬品に用いられることもあり、抗炎症や抗アレルギーなど体に良い効果もあるとされています。
しかし、同時に血圧の上昇や低カリウムをひきおこすという副作用も存在するため、やはり多量の摂取は避けるべきでしょう。

タウリン

タウリンは牛の胆汁から抽出されたうまみ成分です。人間の口にするものでは、栄養ドリンクなどに使用されていることが多いです。
タウリンにおいては、むしろある程度は猫に摂取させておきたい成分です。猫は体内でタウリンを作ることができないので、タウリンが足りないと心肺機能の低下にも繋がります。
タウリンは医薬品として使用されているものであるため、過剰な摂取は避けるべきでしょうが、キャットフードに補助的に配合されている分にはむしろ歓迎できる合成調味料です。

メチオニン

メチオニンもグルタミン酸と同じくアミノ酸の一種のうまみ成分です。他のアミノ酸と同じく肉や魚に多く含まれるため、自然由来での摂取もできますが、合成調味料として使用されていることもあります。
こちらも尿結石の発生率を抑えるという、体に良い効果も期待できるので、一概に悪いものでもありません。
しかし、尿をアルカリ生から酸性に戻す働きがあり、腎臓に負担をかけるという副作用も存在します。

オリゴ糖

オリゴ糖は砂糖よりも低カロリーの甘味料とされ、人間のダイエット食品にも使用されています。便秘改善効果も期待できるので、便秘気味の猫にはむしろ積極的に取らせたい成分です。
しかし、便通を良くするといっても、摂りすぎは下痢の原因となってしまう可能性もあるので、やはり摂りすぎには注意すべきでしょう。

ビートパルプ

ビートパルプはサトウダイコンから抽出された成分です。基本的には、自然食材から抽出されるものなので、危険性は低いです。
しかし、ビートパルプはその抽出製法で硫酸系の薬剤を用いることがあり、その場合は薬剤が残ってしまっている可能性もあります。
またビートパルプは、サトウダイコンの繊維質から抽出するものです。本来は肉食動物である猫は、繊維質の吸収を苦手としますので、多量に摂取させるのは良くないでしょう。

コーンシロップ

コーンシロップはその名のとおり、トウモロコシから抽出した甘味料です。コーンシロップは果糖が多く含まれるため、肥満に繋がりやすいとされています。
そのため、あまり良いイメージの無い合成調味料ではありますが、基本的には自然由来の成分なので過剰な摂取や肥満気味の猫でなければ大きな問題はありません。

まとめ

合成調味料は、摂取させすぎると猫の健康にとって悪い影響があるものです。発がん性などの大病をひきおこすような報告はありませんが、それでも長期的な摂取で寿命を縮めてしまう可能性はあります。
しかし、合成調味料の中には医薬品に使用されているものもあり、体に良い効果をもたらすこともあるので、一概に悪いものでもありません。
キャットフードの成分表記の欄をよく観察し、合成調味料が過度に配合されていないことを確認することが重要といえるでしょう。