ウェットキャットフードのメリット・デメリットを解説。

ウェットキャットフードは嗜好性が高いため、猫が喜んで食べてくれます。しかし、不用意に与えすぎてしまうと健康に良くないものでもあります。本記事ではウェットキャットフードのメリット・デメリットを解説するとともに、種類や与え方についてもご紹介します。

ウェットキャットフードのメリット

ウェットキャットフードは素材の形状を保っていて「猫本来の食事」に近いものです。種類も豊富なので猫の好みに合わせて与えることができ、その他にも様々なメリットがあります。

水分含有量が多い

「ウェット」と称するだけあって、餌そのものに水分が多く含まれます。性格やあるいは高齢水分補給を苦手とする猫もいます。水分不足は尿路結石や腎臓病などを誘発してしまう可能性もあり、その予防としてもウェットキャットフードは適しています。

嗜好性が高い

前述のとおり、猫本来の食事に近いのがウェットキャットフードです。端的に「美味しく」食べてもらいやすいのが特徴であり、病気や夏バテなどで食欲が落ちてしまっている猫にも向いています。

高タンパクでダイエット向き

どちらかというとドライキャットフードは高炭水化物・低タンパク質です。人間と同じく猫もそういった栄養のとり方だと肥満に繋がります。その点、ウェットキャットフードは高タンパク・ 低炭水化物なので、運動が苦手な猫のダイエット食としても有効です。

ウェットキャットフードのデメリット

ウェットキャットフードもメリットばかりでなくデメリットもあります。ここをきちんと把握しておかないと猫の体調を崩してしまう恐れもあるのでご注意ください。

コストが高い

一袋を小分けに与えられ、開封後も保存がきくドライキャットフードと違い、ウェットキャットフードは缶に詰められているので、開封後は保存がききません。つまりウェットフードは1食あたりのコストが高くなってしまうということです。

下痢になりやすい

水分量が多いというのはウェットキャットフードのメリットではありますが、同時に下痢になりやすいというリスクもあります。愛猫が下痢になってしまった場合、ウェットキャットフードは中止しましょう。

栄養価が低いものが多い

後に詳しくご説明しますが、ウェットキャットフードは補助食的な役割のものが多く、主食とし た場合、猫の栄養が偏ってしまいます。そのためドライキャットフードを主食として、ウェットキャットフードは補助的に与えることをお勧めします。

ウェットキャットフードの種類

ウェットキャットフードは材料以外でも、いくつかの種類に分けられますのでそれぞれの特徴をご紹介します。これらを踏まえて愛猫に適したものを与えましょう。

形状の種類

ウェットキャットフードの中身の形状は大きく分けて3種類あります。どれを選ぶかによって、嗜好性や栄養価が大きく違います。

フレークタイプ

鮭フレークやツナ缶に似た形状で、ウェットキャットフードの中でも一番メジャーな形状です。
種類も豊富で値段も比較的リーズナブルなのが魅力ですが、同時に栄養価が低いものが多いのも特徴です。

ペーストタイプ

食材の原型がないペーストタイプは、少々高額なものが多いですが、比較的栄養価が高いのが魅力です。また、薬を混ぜたりするのにも適していますので、病気の猫用としても使いやすいキャットフードです。

シチュー・スープタイプ

食材の原型をとどめていて、ゴロッとした肉や魚が食べられるので、嗜好性がとりわけ高いです。水分量が最も多いタイプでもありますので、水分補助にも最適ですが同時に下痢にもなりやすいのでご注意ください。

栄養価の種類

前述のとおり、ウェットキャットフードには栄養価が低いものが多いです。栄養価の高低を見極 めるには、これからご紹介する用語を理解して、キャットフードの製品ラベルの記載をチェックすることが重要です。

総合栄養食

栄養基準局の基準をクリアした、栄養価の高いウェットキャットフードです。高額なものが多いですが、表記ラベルに「総合栄養食」と書かれているものなら主食として与えても大丈夫です。

栄養補完食・一般食・副食

上記のような用語が表記ラベルに記載されているウェットキャットフードは、おやつなどの間食向きです。また、ドライキャットフードのトッピングとして少量使用するのもお勧めです。

ウェットキャットフードを主食で与える

補助的に与えるのに適したウェットキャットフードですが、高齢で歯が弱っていたり、そもそもドライキャットフードを好まない猫の場合はウェットキャットフードを主食とせざるを得ないでしょう。その場合の注意点をご紹介します。

必ず総合栄養食を与える

病気や高齢で弱っているならなおさら、総合栄養食を与えることが必須です。栄養が偏れば長期的に猫の健康を害し、寿命を縮めてしまう恐れがあります。

ドライもローテーションに加える

ウェットキャットフードは下痢を起こすリスクがあるので、その場合は一時的にウェットキャットフードを与えるのをやめ、ドライキャットフードを与える必要があります。しかし、普段ウェットキャットフードを食べ慣れた猫はドライキャットフードを嫌がる可能性があります。常にウェットキャットフードを与えるのではなく、食事のローテーションの一部にドライキャットフードをあらかじめ組み込むことをお勧めします。

ウェットキャットフードを補助的に与える

ドライキャットフードを主食として、ウェットキャットフードを補助的に与える場合にもいくつか注意点があります。ローテーションの一部にウェットキャットフードを加える場合は、やはり総合栄養食が望ましいです。

おやつの場合はたくさん与えすぎない

間食として与えたりトッピングにする場合は量に注意しましょう。栄養価が低くてもカロリーはあるので、1個の缶詰のうち1/3〜半分くらいが望ましいです。ラベル表記も、「総合栄養食」「一般食」よりは「栄養補完食」「副食」と書かれているものをお勧めします。

まとめ

ウェットキャットフードはこれまで述べたとおり、メリット・デメリットが存在します。そしてもちろんドライキャットフードも同様で、どちらが良いのかというと一概には言えません。
基本的には「ドライ・ウェット両方与える」のをお勧めします。そして猫の嗜好や健康状態に合わせて割合を決め、臨機応変に変えていくのが猫にとって一番と言えるでしょう。