キャットフードの添加物(BHA・BHT・没食子酸プロピル)

キャットフードの添加物において、とりわけ話題に上がりやすいBHA・BHT・没食子酸プロピルの3点。これらはどういうものなのか?本当に安全なのか?について徹底的に解説し、安全なキャットフードの選び方もご紹介します。

キャットフードの添加物について

キャットフードに含まれる添加物には以下のような種類があります。

  • 酸化防止剤
  • 合成調味料
  • 甘味料・香料
  • 着色料

これらは、食材の劣化を防ぐためや味をつけるため、見た目を良くするためなどに使用されるもので、全てが危険というものではありません。
しかし、上記の一覧の酸化防止剤に当たるBHA・BHT・没食子酸プロピルに関しては、安全性が確立されているとは言い難いものです。その根拠を以降で解説します。

BHA

ブチルヒドロキシアニソールの頭文字をとったBHAは、元々は石油などの工業用油脂や殺虫剤などの酸化防止剤として使用されていたものです。つまり本来は食品に使われていたものではなく、それだけでも猫に与えてもよいものか疑問を感じさせます。
さらにBHAを投与した動物実験では、発がん性が認められたとされていて、その他にも甲状腺や膀胱、呼吸器関係に異常をきたしたケースもありました。
一応少量であれば問題ないとされているため、BHAはキャットフードへの使用が認められていますが、できれば避けたほうがよい添加物と言えるでしょう。

BHT

ブチルヒドロキシトルエンの略であるBHTも、化粧品や医薬品などの食品以外のものに使用されている添加物です。
BHAと同じく少量なら問題ないとされていますが、その一方で人間用のバターやマーガリンに使用されていた時期は、摂取した人間のDNAの染色体異常や胎児に奇形が生じたりしたという例が報告されています。
BHTは1970年以降、人間用の食品にはほとんど使用されていません。人間には良くないが、猫や犬なら大丈夫であるという根拠もなく、こちらも安全とは言い難い添加物です。

没食子酸プロピル

没食子酸(ぼっしょくしさん)プロピルは、BHAやBHTよりも強力な酸化防止剤ですが、キャットフードの他に人間用のバターやマーガリンにも使用されているもので、安全性は比較的高いとされています。
しかしラットに没食子酸プロピルを投与した動物実験では、腎臓系にダメージを与えたという報告があり、体になんの害も無いというものでもありません。

安全なキャットフードとは?

上記のような添加物の使用されていない安全なキャットフードとは「質の高い食材を使用しているキャットフード」です。
そもそも添加物というのは、食品の品質を保ったり、見た目や味を調整するために使用されるものなので、高品質な食材を使っていれば本来必要のないものです。
そのため、以下のようなキャットフードを与えれば、高い安全性を愛猫に提供できます。

プレミアムキャットフード

プレミアムキャットフードとは「高品質な食材を使用した高タンパクキャットフード」のことです。人間が口にしても大丈夫なヒューマンクオリティーのものが多いので、安全性は折り紙つきです。
さらに猫にとって最も重要な栄養素である動物性タンパク質が豊富で、アレルギー対策やダイエットなど様々な健康維持に、プレミアムキャットフードは高い効果が期待できます。

ヨーロッパ産キャットフード

安全第一なキャットフードなら「ヨーロッパ産」のものがお勧めです。ヨーロッパの国々は世界有数のペット先進国が数多く存在していて、生産するキャットフードの質も高いです。
特にイタリア・フランス・イギリスの3国のキャットフードは、ヒューマンクオリティが当たり前なので信頼性が高いです。
食品関連となると、どうしても「国産」のものが安全であると感じるかもしれませんが、ことペット産業においては日本は先進国ではありません。そのため、キャットフードの国産表記は安心材料ではないと言えます。

自然由来の酸化防止剤

酸化防止剤と聞くと化学薬品のような印象かもしれませんが、中には自然由来の酸化防止剤も存在します。代表的なのは以下の2つです。

  • ローズマリーエキス
  • ミックストコフェロール

BHA・BHT・没食子酸プロピルの3点よりは、確実に上記の酸化防止剤を使用したキャットフードの方が安全性が高いです。

まとめ

BHA・BHT・没食子酸プロピルのような添加物は、絶対に危険であるという意見と、少量なら問題ないという意見の両方が存在して真偽のほどは定かではありません。
しかし、人間が口にして問題があるとされた時点で、これらの添加物が使用されたキャットフードは「ヒューマンクオリティー」ではありません。
添加物を使用したキャットフードは製造コストが安くすむため、販売価格も安価であることが多いですが、愛猫の健康を第一に考えるなら避けたほうが適切でしょう。