キャットフードには値段・原材料どれをとっても様々な種類があります。そして、残念ながら中には粗悪なキャットフードも存在します。本記事では良質なキャットフードを見極めるポイントを解説いたします。
良質なキャットフードとは?
まずはキャットフードにおける「良質」とはどういうものなのかについて解説いたします。もちろん猫の年齢や健康状態、嗜好性によって良質の定義も違いますが、それでも「最低限クリアしておくべき基準」があります。
肉・魚がメイン
猫は本来肉食動物なので、人間よりもよりタンパク質を必要とします。その為キャットフードは肉か魚がメインになっているものでなければなりません。
穀物が少ない・不使用
基本的に猫は穀物の消化を苦手とします。そのため、穀物が多いキャットフードでは、消化不良やアレルギーを発症する危険があります。理想は、穀物不使用(グレインフリー)のキャットフードです。
添加物を使っていない
添加物というのは、食品の品質を維持する為、あるいは見た目を良く見せる為に使われるものです。良質な食材であれば、本来は必要のないものと言えます。
つまり添加物を使用したキャットフードは、添加物そのものの害だけでなく、そもそも使っている食材の品質が悪い可能性があります。特に以下の添加物を使用したキャットフードは避けた方が良いでしょう。
- BHA
- BHT
- エトキシキシ
- 赤色3号(赤色2号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色105号)
- 青色2号
- ソルビトール
- キシリトール
- グリシジン・アンモニエート
- ビートパルプ
- コーンシロップ
- 亜酸化ナトリウム
- プロピレングリコール
- ソルビン酸カリウム
良質なキャットフードの見分け方
それでは具体的に良質なキャットフードを見分ける方法をご紹介します。実際に購入する前にチェックしておくべきポイントは以下のようなものです。
原材料表記
法律で原材料は「多く使用している順に左から表記する」ことが義務付けられています。したがって、表記欄の一番左上に肉や魚類、穀類などは極力右下にあるものが望ましいです。
値段
絶対とは言えませんが、やはり価格がそれなりに高いものである方が信頼できます。少なくとも、1kgあたり2000円以上のものを選ぶようにしましょう。
ホームページをチェック
キャットフードを製造している会社のHPをチェックしてみましょう。品質にこだわり、猫の健康をきちんと考えている会社は原材料やその割合、添加物の有無などをきちんと表記して安全性をアピールしています。
ペットフード安全法の問題点
食材の品質というと、やはり国産のキャットフードである方が安全であるように感じるかもしれません。しかし、残念ながら日本はペット産業においては先進国とは言えません。 ペットフードにおいても一応「ペットフード安全法」という法律がありますが、制定されたのが2009年とまだ新しい法律です。そのためか以下のような問題点があります。
- 原産国は最後に加工した国にすぎない
- 原材料の添加物は記載義務がない
- 違反しても罰則がない
例えば食材を全て外国で揃えても、加工をして缶詰や袋に詰めたのが日本なら「日本産」と記載してもよく、加工済みの食品(チーズなど)の添加物は記載義務がなかったりします。
そして違反しても罰則がないので、抑止力として強いものではありません。まだ法律に穴があると言ってよいでしょう。
このように日本はまだ法律が整っていない状況なので、キャットフードはむしろペット先進国であるドイツなどのヨーロッパ圏のものの方が信頼度は高いと言えます。
自宅でできるキャットフードチェック
前述のとおり、原材料の表記も100%信頼できるものではないのが現状です。それなら、飼い主自らチェックするしかありません。自宅でできる品質チェックの方法をご紹介します。
触ってみる
キャットフードを実際に触ってみて、確かめるのは油の質です。まだ新しいのにベトベトとした触感がある場合は、悪質な油を使っている可能性が高いです。
水につける
少量のキャットフードを水につけて一晩寝かせます。そして、その後に外に出しておきましょう。良質なキャットフードは着色料の不自然な色が滲み出ることなく、防虫剤を使っていなければ虫も寄ってきます。
砕いて濾(こ)してみる
細かく砕いて茶こしで水に溶かしてみると、良質なキャットフードならすべて綺麗に溶けますが、悪質なキャットフードは水に溶けない動物の骨や皮などが残ったりします。
便の量をチェック
先ほど述べましたが、猫は穀類の消化を苦手としますので、穀類の多いキャットフードを食べると消化しきれないものが多いため、便が多くなります。食べた量に対して、不自然なほどたくさんの便を出すようなら要注意です。
まとめ
人間と同じく、猫にとっても「食」は健康の基本となるものです。そのため、食事を提供する飼い主は栄養がきちんと摂れる、安全なキャットフードを提供する責任があります。
特に添加物や穀類は猫本来の食生活には存在しないものなので、なおさら気をつける必要があるでしょう。原材料のチェックと、多少手間でも自身で実験して確かめることが重要です。