キャットフードの添加物(亜硝酸ナトリウム)

キャットフードに使われている添加物の「亜硝酸ナトリウム」。どのようなものなのか?危険性はあるのか?といった点を本記事で、徹底的に解説いたします。

亜硝酸ナトリウムとは?

亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸ソーダとも呼ばれ、キャットフードだけでなく人間の食べ物にも使用されるメジャーな添加物です。亜硝酸ナトリウムは主に以下のような用途で使用されます。

発色剤

食べ物で発色というのはイメージがつきづらいですが、要するに「色を鮮やかにする」ものです。着色料のように色を加えるというよりは、時間経過により食材の色が黒ずんできてしまうのを防ぐような働きがあります。

酸化の抑制

亜硝酸ナトリウムは、ハムやソーセージなどの塩せきにも使用されます。塩せきというのは、食材の風味を向上させるために香辛料や塩、そして添加物などに漬け込む作業で酸化によって食べ物が傷むのを防ぐ役割があります。

食中毒予防

亜硝酸ナトリウムが食品に使われるようになった理由が、この食中毒予防のためとされています。強力な殺菌作用があるため、ボツリヌス菌やO157といった致死性の高い細菌にも効果があり、非加熱のソーセージなどの食品には亜硝酸ナトリウムの使用が義務付けられています。

亜硝酸ナトリウムがひきおこす健康被害

上記のような役割が亜硝酸ナトリウムにはあり、安全性や食品の外観を良くするため一概に悪いものともいえませんが、同時にその毒性が問題視されています。
亜硝酸ナトリウムはわずか2gで致死量に達する劇薬です。多量に摂取すると場合によっては、頭痛や吐き気、呼吸困難などを発症する可能性もあります。
さらに、国連のWHOの研究機関であるIARC(国際がん研究機関)の研究では、食道、胃、膀胱、肺などの様々な器官に強い発ガン性を持っていると報告されています。
さらに、アメリカのロードアイランド病院の発表では、亜硝酸ナトリウムはアルツハイマーなどの脳神経系の病気とも関連があるという研究報告がなされています。
これらの研究は基本的には人間を対象にされたものですが、人間と同じ哺乳類で体も小さな猫にとっても、亜硝酸ナトリウムは同様に危険であるといえるでしょう。

亜硝酸ナトリウムが多く含まれる食材

亜硝酸ナトリウムはソーセージやハムなどの「加工肉」に使用される添加物です。また、硝酸塩という成分は体内で亜硝酸ナトリウムに還元される可能性があります。そして硝酸塩は自然物にも存在して、以下のような食材に含まれています。

  • ビーツ
  • キャベツ
  • 人参
  • ほうれん草
  • セロリ
  • パセリ
  • 大根
  • 納豆
  • いちご
  • さくらんぼ

ただし、上記のような食材に含まれる硝酸塩の場合は発がん性などの健康被害を生じさせるリスクは低いと考えられています。しかし、あくまでも現在においてはそう考えられているというだけで、後に新たな健康リスクが発見されるかもしれないので油断は禁物です。

亜硝酸ナトリウム入りキャットフードを避けるには?

亜硝酸ナトリウムは猫にとっても危険なものです。できればキャットフードに亜硝酸ナトリウムが使用されていないものを選ぶべきでしょう。
亜硝酸ナトリウムを避けるのは、まずキャットフードの「表記ラベル」をチェックしましょう。基本的には添加物を含む原材料は全て表記する義務があるので、亜硝酸ナトリウムという文字があるものは避けましょう。
しかし、表記ラベルのチェックだけでは不十分です。なぜなら、キャットフードにおいては加工済み食材を使用した場合は、その食材に含まれている添加物は表記する義務が無いからです。
また、原材料表記に関するルールを定めるペットフード安全法は、違反しても罰則がありません。そのため、キャットフードは人間の食べ物よりも表記ラベルの偽装が多いという現状があります。
亜硝酸ナトリウムを避けるためには、表記ラベルの他にも以下の点に注意しましょう。

色が鮮やかすぎるもの


亜硝酸ナトリウムは発色剤の役割があるので、食品の色を鮮やかにする効果があります。キャットフードにおいてもあまりに色が鮮やかなものは避けるようにしましょう。
色が鮮やかなのは亜硝酸ナトリウムではなく着色料によるものかもしれませんが、着色料も決して体に良いものではないので、いずれにしても避けたほうが良いです。

加工肉を使用したもの

キャットフードではよく、「豚肉ミール」とか「鶏肉ミール」という肉副産物の表記がありますが、そういった表記のものも避けましょう。
ミールは肉を粉上に「加工」したものであるため、そこに含まれている添加物などは表示されていない可能性が高いと言えます。また、ミールには病気や薬物で死んだ動物の肉が使用されていることもあるので、そういった意味でも避けたほうが良いでしょう。

まとめ

亜硝酸ナトリウムは人間にとっても危険なものなので、人間よりも体の小さな猫に対しての健康被害はより大きくなる可能性があります。
亜硝酸ナトリウムは食中毒を防ぐ役割があるので一概に悪いものでもありませんが、高品質な食材を使用して衛生面に最大限の注意を払って製造したキャットフードなら、亜硝酸ナトリウムに頼る必要はありません。